おおいたん酒と旅

多くの人の手で造っていることを、知ってほしい。

佐伯ICから国道10号線を20分ほど南下していると、右手に「ぶんご銘醸」の看板を発見。そこを右折してさらに車を走らせ、2つ目の看板を右折すると、「体験公園亀の甲なおかわ」の美しく整備された芝生と、その奥に建つ白壁の酒蔵が目に飛び込んできました。明治43年に市内本匠村で清酒を製造する「狩生酒造場」として創業したのがはじまり。昭和50年代の麦焼酎ブームで麦焼酎製造を本格化し、平成13年10月「ぶんご銘醸」に。翌年、この地に移転したという歴史をもつ蔵元です。

  1. #01 ぶんご銘醸に訪問してみた
  2. #02 地元で愛される食堂に行ってみた
  3. #03 酒蔵の系列店に行ってみた

#01ぶんご銘醸に訪問してみた

蔵では5代目の狩生孝之さんが出迎えてくれました。さっそく、蔵の内部へ。訪れたのは8月末だったため、仕込み自体はまだ始まっていなかったけど、ちょうどラベル貼りの作業中だったので見学させてもらうことに。機械で流れてくる瓶に美しく貼れているか、5人の蔵人さんが1本ずつ丁寧にチェックし、出荷に向けた仕分けを行っていました。「原料の栽培から商品の製造・出荷まで、皆さんが想像しているより多くの人の手が携わって完成しているんですよ」と、狩生さんは笑顔で教えてくれました。

ぶんご銘醸の焼酎は、昔から継承してきた日本酒造りの技術で造られているのが特徴。希少な花酵母を使用した「杜谷 華むぎ」をはじめとする杜谷シリーズや、原料の麦を清酒でいえば吟醸酒並みのレベルまで削って低温発酵させた「香吟のささやき」など、様々なバリエーションの銘柄すべてに共通しているのは、華やかな香りとすっきりとした味わい。平成23年、地元の米と水で仕込む日本酒ブランド「佐伯飛翔」も誕生。毎年、多くのファンが、その年の完成を心待ちにしているそうです。

最後にお待ちかねの試飲・販売コーナーに案内してもらいました。蔵の方に希望を伝えたり、質問するだけでなく、「これはどんな味わい?」「お魚に合いそうなのは?」などなど、いろいろ想像しながら順番に味わっていくと、自分の好みもはっきりとわかってくるような気が。ベストな1本と出会えれば、蔵見学の思い出もさらに楽しいものになりそう!

ぶんご銘醸 Web Site

#02地元で愛される食堂に行ってみた

蔵を出て、国道10号線に出るとすぐ、道端にゆらめいているのぼりが目印の「琴食堂」。ここは、店主の大竹琴美さんが40年以上も前に始めたという食堂です。現在はランチタイム限定で、毎日、開店と同時におひとり様やグループ、職場の仲間、県外からの観光客など、お客さんが次々と入店。カウンター席とテーブル席、大きなテーブルを並べた小上がりはすぐに満席になるほどで、蔵元さんが自信をもって紹介してくれたのもうなずける、地元の超人気店です。

「ここに来たら、まずはこれですよ」と蔵元さんがイチオシするのは、ラーメンと地鶏チャーハン。豚骨100%の濃厚なスープに中太麺が絡み、自家製チャーシューともやし、ネギをのせたラーメンは、まさに王道THE佐伯ラーメン。熱々の鉄板にのった地鶏チャーハンは、音と香りで食欲を刺激。地鶏のコリコリとした食感も、じんわりとしみ出た脂も鉄板ならではのおこげも「おいしい」以外の言葉が出てこない! どちらも常連のお客さんの大半がオーダーするというトップ1・2の人気メニューです。

40年以上も前に小学校の跡地だったこの場所で食堂をオープンさせた店主の大竹琴美さん。「常連さんが結婚して子どもと一緒に来てくれたり、県外に引っ越しても時々顔を見せに来てくれたり、長いことやっていると嬉しいことが増えていくんですよ」と語る笑顔が本当に素敵でした。現在は孫の亜美さんが主にラーメンを担当。亜美さんのお父さんも市内で飲食店を経営しているそうなので、まさに、料理一家のDNAが集結したお店と言えますね!

琴食堂

所在地
佐伯市直川大字仁田原125
連絡先
0972-58-2446
営業時間
11:00〜14:00
定休日
日曜
駐車場
あり

#03酒蔵の系列店に行ってみた

蔵からの帰路に立ち寄りたいのは、佐伯IC近くの高台にある「麹の杜」。ここは、ぶんご銘醸の系列店の甘酒工場&ファクトリーショップで、西日本で唯一、無料で工場見学が楽しめるスポットです。美容に貪欲な女子たちの間で話題になることもあるほど、“飲む点滴”とも“飲む美容液”とも呼ばれるノンアルコールの甘酒。自分のためだけでなく、お友達や家族へのお土産にもきっと喜ばれるはずです。広い駐車場に車を止めたら、まずは甘酒工場へ行ってみましょう!

順路に沿って進んでいくと、甘酒が造られていく工程を見学することができるとのこと。時間帯によってはお米に水を含ませる「浸漬」や、お米に麹菌を増殖させる「製麴」など甘酒の要となる乾燥麹の製造工程や、厳しいチェックを経て商品として出荷するまでの工程も見ることができるそう。製造ラインに隠れている公式キャラ「麹の妖精こうじちゃん」の数を正解すればプチギフトがもらえるから、ぜひチャレンジしてみて!

工場見学が終わったら、併設のファクトリーショップへ。広々とした店内には、いろいろな種類の甘酒や、甘酒を使ったドレッシングなどオリジナル商品が多数ラインナップ! たくさんある甘酒の中から選ぶのは大変そうだけど、作りたての甘酒が味わえる試飲コーナーではほとんどの商品が試飲できるから、意外と見つけやすいかもしれないですね。ぶんご銘醸の焼酎や日本酒も購入でき、現在は本社とココでしか販売していないという超レアな限定品も!

窓際のイートインコーナーでは、作りたての甘酒をはじめ、カレーやコロッケ、唐揚げなどの定番料理からスイーツに至るまで、しょうゆ麹や塩麹をたっぷりと加えた甘酒専門店ならではのメニューが人気。明るく接客してくれる店員さんに、商品について質問してみたり、オリジナルの甘酒レシピを教えてもらったり、甘酒愛を語り合ったり……。ゆるくアットホームな雰囲気がクセになるスポットでした!

麹の杜

所在地
佐伯市上岡字船河内2810-28
連絡先
0972-48-9386
営業時間
10:00〜17:00
定休日
木曜
入場料
無料
駐車場
あり
麹の杜 Web Site

その他のおおいたん酒と旅