おおいたん酒と旅

創業100年、常に進化を目指しています。

大分市内から約40分。国道10号線を経由して中九州横断道路を走っていくと、のどかな山里の雰囲気が漂う豊後大野市千歳にたどり着きました。藤居醸造はこの地に根付いてもうすぐ100年。完全手造りの味わい深い焼酎を造る蔵として、全国の焼酎ファンにその名を知られています。

  1. #01 藤居醸造に訪問してみた
  2. #02 オトナ女子的カフェでテイクアウト
  3. #03 ジオパークの滝に行ってみた

#01藤居醸造に訪問してみた

昭和4年の創業以来、完全手造りを貫いている藤居醸造。蔵に到着すると、3代目の藤居淳一郎さんと、奥様のあやさんが出迎えてくれました。「厳選した原料を用いて、昔ながらの道具や製法による焼酎づくりにこだわっています」と藤居さん。さらに、製造のこだわりや蔵の歴史、料理との合わせ方などについても詳しく教えてくれました。

多くの蔵が製麹機(せいきくき)という機械で麹を製造しているなか、藤居醸造では蒸した麦に麹菌を振りかけて石造りの室(むろ)に運び、室蓋という木箱で仕上げた麦麹を用いる手法で製造。焼酎の度数を下げる割り水には、竹田市の名水を使用しているそうです。「飲みやすさよりも、飲みごたえのある焼酎を造ることにこだわってきました。お客さんが自分の手元で熟成を楽しめる焼酎など、新しい試みにも積極的に取り組んでいます」。

令和4年年9月からは、さらなる新しい試みとして焼酎蔵の隣りでクラフトビールの製造も開始。道路を挟んで正面に完成した週末限定オープンの多目的ホールには、定番の焼酎をはじめ、クラフトビールのペールエールとIPA、ラガーの3種類、地元産の加工品が味わえるスペースも確保されています。クラフトビール工場は前面ガラス張りで外から作業風景を見ることができ、年季の入った焼酎の仕込み蔵も全面的に改装して一本の通路でつなぐなど、見学しやすくなる環境ももうすぐ出来上がるそう。

蔵に併設した売店に向かうと、「お好みを聞かせてもらえれば、それに合った商品を提案します」と、藤居さん。代表銘柄の「泰明」や、すっきりした飲み口の中に麦の香りが生きる減圧蒸留の「麦波」に加え、原酒や新酒、季節限定焼酎など多彩なライナップも魅力なので、それぞれの商品の特徴や味わい方を教えてもらいながら、お気に入りの1本を選んでみては。「今後は不定期でピアノ生演奏などのステージや、出張シェフなどのイベントも開催したい」とのことなので、お出かけの楽しみがますます増えそうですね!

#02オトナ女子的カフェでテイクアウト

蔵から車で5分、県道519号沿いに現れる「ちとせや緑茶」は、すぐ近くの「Café green brown」と姉妹店で、コンセプトは「オトナ女子が寄れる、まちの小さなドライブイン」。お天気の良い平日や週末には、県内外からドライブを兼ねて多くのお客さんが訪れるという人気の和みスポットです。できるかぎり地元の素材を使っているというテイクアウトメニューは、見た目もかわいく、インパクト大! 雑貨類は地元作家をメインに、お店の雰囲気に合うものをセレクトしているそうです。

「道の駅きよかわ」のパン屋さんから仕入れる食パンを使った手作りのサンドイッチは、その名も「はみでるちゃん」。あふれんばかりのタマゴをはさんだ「タマゴサンド」と「B.L.T」の2種類が定番で、それぞれ1つずつの「こばらちゃん」も人気です。ほかにも、地元の飲食店が作るお弁当「キャンプ飯」などもあり、すべてがリーズナブルなのも嬉しいところです。

そして、女性に人気なのはやっぱりスイーツ!イチオシの「あんこほうじ茶」は地元産のきな粉とあんこにホイップクリームがたっぷり。こっくりとした風味がクセになりそう。ほかにも「黒糖ミルクティー」や「緑茶みるく」などいろんな種類があり、タピオカやわらび餅、あんこなどをトッピングすることも可能です。プレーンや緑茶、杏仁、ほうじ茶、きなこなどの多彩なフレーバーが楽しいムーチー(ムースみたいなチーズケーキ!)も、何回でもリピートしたくなるおいしさ!

ちとせや緑茶

所在地
豊後大野市千歳町下山918
連絡先
0974-27-5433
営業時間
10:00〜17:00
定休日
木曜、第2水曜

#03ジオパークの滝に行ってみた

46地域ある日本ジオパークのひとつとして登録されている豊後大野市。大野川を中心にくじゅう、阿蘇、祖母・傾山系が織り成す地形が、滝や渓谷・峡谷の独特な地形を生み出しています。藤居醸造さんから車で約20分走り、大野町へ。約9万年前に起きた阿蘇山巨大噴火の火砕流が堆積してできた柱状節理が崩れ落ちてできたのが、大野川本流の雄滝と支流平井川の雌滝からなる「沈堕の滝」です。

おおいた豊後大野ジオパークのジオサイトの一つであり、国登録記念物でもある名瀑。室町時代に訪れた雪舟が『鎮田瀑図』に描いた滝としても有名なのだそう。雄滝の幅は約100メートル、高さ約20メートル。その姿は、まるで滝が二段重ねになっているようにも見え、絶好の撮影スポット!明治42年には大分〜別府間を走る路面電車用の発電所が建てられたそうで、滝壺の近くへと向かう道の途中には外壁だけとなった佇まいを静かに残しています。

沈堕の滝

所在地
大分県豊後大野市大野町矢田
管理
おおいた豊後大野ジオパーク推進協議会(豊後大野市商工観光課内)
連絡先
0974-22-1001
駐車場
あり

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